M-REF ミニ講座】第1回「太陽光パネルはどのくらい故障しているか」

 

 

いつも【M-REF News】をお読みいただきありがとうございます。
今回は【M-REF ミニ講座】と題して、太陽光発電設備の保全にあたる上でお役にたてるミニ講座をお送りします。

 

【太陽電池モジュール(パネル)はどのくらい故障している?】

みなさん、太陽電池モジュール(太陽光パネル)がどのくらい故障しているのかご存知でしょうか。
ユーザーの方だけでなく設置業者の方から聞かれることも多いので、案外知られていないようです。
そこで、各機関が調査した結果を次に記載しました。

 

【産総研:年換算で0.5%を交換】

産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)の発表では、5年間で交換したモジュール枚数は設置枚数5,645枚のうち152枚にのぼり、年間換算の交換率では0.5%となっています。
また、あるNPO法人のネットワークでは、12年以内に483サイトで69件のモジュールが交換されており、年間換算の交換率は1.0%になったそうです。

 

【12%の発電所で不具合を発見】

あるメンテナンス団体(会員数120社)では、1年間で86発電所の点検を行ったところ、そのうち11発電所(12%)で不具合を発見し、そのうちいくつかは焼損していたと発表しています。
2MWクラスの発電所を8発電所所有する発電事業者は、国内メーカ製パネルであるにもかかわらず、運用開始後すぐに内部断線が発見され数枚を交換したとのことです。
さらにその
1週間後にも1枚、その2週間後にもまた1枚と、その結果ひと夏に10枚も交換したそうです。
その後冬になって落ち着いたようにみえたのですが、翌夏にはまた断線が発生、
3枚を交換したと発表しています。

 

【意外に多い?それとも?大事なことは早期発見、早期対処】

こうした数字をご覧になってどうお感じになるでしょうか。
「こんなに故障するのか!」という方もあれば、「この程度か」という方もあるでしょう。
いずれにしても大事なのは、早期発見と早期対処だということです。

 

【発電量低下だけでなく重大な事故につながる可能性も】

断線故障を放置していると、発電量が低下することはもちろんですが、バイパスダイオードの発熱が継続することで焼損し、最悪の場合、火災の原因になることも考えられます。
点検時に早期発見することが非常に重要といえます。

 

【適切な保全に対する理解を】

適切な保全業務を行うことでこうした事故を未然に防がなければなりません。
しかし、現場のみなさまからは、設置者の方がなかなか保全にコストがかかることを理解していただけないという声をたくさん耳にします。
しかし、適切な保全を怠ることで、設置者の方は重大な損失を被るだけでなく、近隣にも災害をもたらす可能性まであるということを現場のみなさまお一人おひとりが丁寧にわかりやすくご説明いただくことが重要です。
国も保全の義務化をガイドラインに盛り込むなどで後押ししようとしています。
全国の太陽光発電所の長期安定発電のため、本財団もみなさまとともにこつこつとその必要性を訴えてまいります。

 

【10月開講のご案内】

発電事業の長期安定のために必要な正しい知識と技術を習得した保全技術者の育成が急がれるところです。
そこで、本財団では10月も本講座を開講します。
講座の様子をブログで紹介していますので是非ご覧ください。

[FIT法改正を受けた講座内容強化の紹介] http://m-ref.blog.jp/archives/5183285.html

講座ではFIT法改正や今後の国の政策動向についても取り上げ解説します。
次号もぜひご期待ください。


 

【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】

[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html

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      「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」
            開催のお知らせ

 

[日  程] 2日間通しの講座となります。

【期日】 平成281020日(木)・21日(金)
【時間】 一日目 13:2017:30  二日目 9:0017:00

[会  場] 東池袋センタービル

NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24

[受講資格] 次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方

[合 格 者] 検定に合格されると認定技術者として登録され、
以下の証書等が交付されます。

      ・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)

[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、
講座受付にてご登録(10単位)いただけます。

[受 講 料] 54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)

[定  員] 20

[主  催] 一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会

[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
          http://m-ref.or.jp/tlc.html

      2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、
        その内容に従って受講料をお振り込みください。

      3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
        必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。

 以上

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