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前回の第1回【M-REF ミニ講座】に引き続き、太陽光発電設備の保全にあたる上でお役にたてる第2回をお送りします。

 

【今回は太陽電池モジュール(パネル)の不具合事例】

前回は、太陽電池モジュール(太陽光パネル)がどのくらい故障しているのかを取り上げました。

今回は、その不具合事例にはどんなものがあるのか、よくある事例を紹介させていただきます。

 

【日射障害によるもの】

根本的な問題ともいえるものに日射障害によるものがあります。

日射障害の原因には、パネルの白濁、樹木やほかの設備等の影、ごみ・鳥の糞・黄砂などによる表面の汚れなどがあります。

その結果、出力電圧および出力電流が低下することはもちろん、不具合の位置や度合いによっては異常発熱を引き起こす可能性があります。

日常点検で早期発見に努め、汚れは除却し、日影をつくる樹木を剪定したりや施設を移設するなどしましょう。

 

【パネル内の断線】

パネル内で断線が起こる原因には、パネルのインターコネクタ、バスバーなどの半田はがれのほかケーブルの断線が考えられます。

その結果、出力電圧および出力電流が低下するとともに、バイパスダイオードへ電流が流れることでバイパスダイオードが発熱します。

この発熱を長期間放置していると端子ボックスの焼損をまねく場合があります。

定期点検で早期発見に努めましょう。

 

【バイパスダイオードの故障】

バイパスダイオードの故障には、オープン故障とショート故障があります。

オープン故障の場合は、バイパスする機能が失われるため、日影等の影響でバイパスダイオードに電流が流れる状態となった時にストリング1本分の発電量が失われてしまいます。

ショート故障の場合は、クラスタの短絡ループが形成されてしまうため電流が流れ続け、発熱する可能性があります。

いずれも定期点検で早期発見に努めましょう。

 

【漏れ電流】

電流の漏れ(地絡)による障害ですが、その原因としてバックシートの損傷やセルのクラックなどによる地絡が考えられます。

その結果、出力電圧および出力電流が低下するとともに、特に地絡においては、感電・火災の危険があります。

定期点検で早期発見に努めましょう。

 

【適切な保全に対する理解を】

こうした障害が発生していることが分かった場合、その箇所と原因を特定することが必要となります。

適切な手順で効率よく箇所を特定し原因を突き止め、迅速に対処しなければなりません。

こうした適切な保全業務を行えれば、被害を最小に食い止めることができます。

しかし、現場のみなさまからは、設置者の方がなかなか保全にコストがかかることを理解していただけないという声をたくさん耳にします。

しかし、小さな問題を放置することで深刻な事故をもたらすこともあるということを現場のみなさまお一人おひとりが丁寧にわかりやすくご説明いただくことが重要です。

国も保全の義務化をガイドラインに盛り込むなどで後押ししようとしています。

全国の太陽光発電所の長期安定発電のため、本財団もみなさまとともにこつこつとその必要性を訴えてまいります。

 

【10月開講のご案内】

発電事業の長期安定のために必要な正しい知識と技術を習得した保全技術者の育成が急がれるところです。

そこで、本財団では10月も本講座を開講します。

講座の様子をブログで紹介していますので是非ご覧ください。

[FIT法改正を受けた講座内容強化の紹介] http://m-ref.blog.jp/archives/5183285.html

講座ではFIT法改正や今後の国の政策動向についても取り上げ解説します。

次号もぜひご期待ください。

 

 

【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】

[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html

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      「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」
            開催のお知らせ

 

[日  程] 次のいずれかをお選びください。2日間通しの講座となります。

【10月】 平成281020日(木)・21日(金)
【11月】 平成28年11月24日(木)・25日(金)
【時間】 一日目 13:2017:30  二日目 9:0017:00

[会  場] 東池袋センタービル

NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24

[受講資格] 次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方

[合 格 者] 検定に合格されると認定技術者として登録され、
以下の証書等が交付されます。

       ・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)

[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、
講座受付にてご登録(10単位)いただけます。

[受 講 料] 54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)

[定  員] 20

[主  催] 一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会

[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
          http://m-ref.or.jp/tlc.html

      2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、
        その内容に従って受講料をお振り込みください。

      3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
        必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。

 以上

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