【理事長ブログ】認定取消が現実に

【伝家の宝刀が抜かれた!】

前回のFIT法改正以降、太陽光発電に携わる方々の間では「認定取消」は本当にあるのかという議論が交わされてきました。
こういった議論に今回の「認定取消」の発表は終止符を打ったのではないでしょうか。
「“伝家の宝刀”は抜かれることなんてないだろう」そんな勝手な憶測があったように感じます。
今回の認定取消の理由は、法令違反つまり他法令遵守の規定に違反したことだそうですが、「他法令を遵守する」ことが法に書かれている意味を考えれば、そんな憶測が当てはまらないことは明らかだったはずです。

【法令遵守を法に書く意味】

そもそも法令を遵守することは、当然のことであり、わざわざ法に書くことではありません
それをあえて書き込んでいるのですから、国には強い思い、決意があると読むべきだと思います。
本財団では、不適正な発電所に対しては認定取消もありうるのだと警鐘を鳴らしてきました。
そうならないために、発電所全体にわたる適切な保全が必要だと訴え、その技術者の養成に取り組んできました。

【発電所全体の適正さを担保することが必要】

今回の認定取消は発電設備の瑕疵が原因ではありません。
このことは、発電設備だけでなく発電所全体の適正さを維持することが重要であることを示しています。
その一方で、発電所全体の保全にあたれる技能を備えた技術者が大幅に不足しているのが現実です。
本財団では、「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」を設け、そうしたオールラウンダーな保全技術者の養成に取り組んできましたが、まだまだ道半ばです。

【「評価ガイド」に対応した保全で長期安定発電を】

さらに、昨年「太陽光発電事業の評価ガイド」が発表されました。
本財団は策定委員会のワーキンググループリーダーとして編纂にあたり、現在も策定委員会の一員として取り組み続けています。
「評価ガイド」は事業資金の融資、保険契約、中古売買等、様々なシーンで活用されることになると見込まれていますが、個々の項目の判定では保全業務の履歴や実施方法を大変重要視しています。
このことから、「評価ガイド」に即した保全を実施する必要が見えてきます。

【「評価ガイド」を活用した保全業務を】

二級太陽光発電設備保全技術者養成講座は、「評価ガイド」策定以前から前述の考え方で運営されてきました。
ですから、「評価ガイド」をご覧になっても大きな違和感がないはずです。

二級太陽光発電設備保全技術者のみなさんには、「評価ガイド」に即した保全業務の実践に努めていただけるよう期待しています。
本財団も「評価ガイド」がより普及し、発電所全体の保全が必要であることの認識が定着するよう取り組みを続けてまいります。

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【認定取消の規定】

法第15条 経済産業大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、第九条第三項の認定を取り消すことができる。
一 認定事業者が認定計画に従って再生可能エネルギー発電事業を行っていないとき。
二 認定計画が第九条第三項第一号から第四号までのいずれかに適合しなくなったとき。
三 認定事業者が第十三条の規定による命令に違反したとき

旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年早々、本日はみなさまには太陽光発電事業の“量的拡大”から“長期安定”“質的向上”へとシフトしようとする国の取り組みなどについてお聞きいただけるセミナーの開催についてご案内します。

 

【エネ庁が太陽光発電事業の適正化セミナーを2月に開催】

太陽光発電事業の適正化に向けた取組に関するセミナー」が次の通り浜松市(静岡県)で開催されることになりました。
本セミナーは今回が2回目の開催で、初回が昨年12月に北九州市で開催されました。
発電事業の自律的適正化を進める国の取組(資源エネルギー庁新エネルギー課)や「太陽光発電事業の評価ガイド」の概要と評価技術者の資格制度(JPEA・本財団)についての講演が行われます。
本セミナーは他の地域での開催も計画されていますが、開催地・日時はまだ決まっていません。
この機会にぜひご参加ください。

 

【開催要項】

[開催日]           2019214日(木)
[主 催]           資源エネルギー庁・関東経済産業局
                             浜松市・静岡県
[会 場]           グランドホテル浜松 「鳳西」
静岡県浜松市中区東伊場一丁目3-1
https://www.grandhotel.jp/hamamatsu/
[定 員]           100
[費 用]           無料
[申 込]           下記ウェブページのフォームからお申込み下さい。
                             https://www.hamamatsu-e.co.jp/maintenance/#anchor_maintenance_optimization
[締 切]           201927日(木)

 

【セミナーの内容】

1部 13001500

1. 開会挨拶/浜松市
2. 太陽光発電事業の適正化に向けた国の取組/資源エネルギー庁
~太陽光発電事業の長期安定化に向けた事業規律の強化と地域共生の促進~
3. 適正な太陽光発電事業とは
/一般社団法人太陽光発電協会・一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会
~評価ガイドの概要と適正化への活用及び新たに始まった資格制度について~

2部 15151715 

4. 設計・施工に関する座学研修および発電事業評価ガイドラインに関する説明
/一般社団法人 太陽光発電協会

 

<参考資料>

資源エネルギー庁 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会
資料3「再エネ事業の長期安定化に向けた事業規律の強化と地域共生の促進」
20181015日)
http://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/009_03_00.pdf

「太陽光発電事業評価技術者養成講座及び検定のご案内」
http://www.m-ref.or.jp/images/tai101.pdf

 

【二級太陽光発電設備保全技術者の活躍を期待】

「太陽光発電事業の評価ガイド」に基づく評価では、発電設備はもちろん権原・法令手続や土木設備にいたる発電所全体のリスクが評価されます。
その判定にあたっては、保全業務(保守・点検)を行っているだけでなく、その質と記録が判定の際に重視されるものとなっています。
お気づきの通り、二級太陽光発電設備保全技術者のみなさまは、すでに本財団の講座でこうした発電所全体にわたる保全業務について習得していただいています。
すなわち、みなさまの日頃の成果が評価に結び付くことになったのです。
みなさまの業務の拡大が太陽光発電事業の適正化を進めることになる、そのインフラがいよいよ整備されようとしています。

 

本財団は、本年も“安心”“安全”“安定”な再エネ社会づくりに向けて、みなさまとともに取組を進めてまいります。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

二級太陽光発電設備保全技術者養成講座の出張開催

二級太陽光発電設備保全技術者養成講座を東京で開催してまいりましたが、社員と協力会社の研修として二級太陽光発電設備保全技術者養成講座を出張開催してもらいたいという要望がK社様(埼玉県)からあり、初の出張(貸切)開催をいたしました。

【依頼企業(K社)の狙い】
顧客に対してグループ全体で保全業務を標準化する必要性を感じていたK社は、本財団の二級太陽光発電設備保全技術者養成講座を活用して社と協力会社の技術者の知識と作業を標準化しました。

【出張(貸切)開催の長所】
1.業務品質の標準化
 太陽光発電所の法令手続から土木設備、発電設備にいたる全てについての知識・技術を習得することでオールラウンダーな技術者を養成すると同時に、知識・技術の標準化により技術者によって検査方法等に差異が出るなどの問題を解消できます。
2.実際の現場を用いた実戦的な実習
 K社が保全業務を受託している現場を用いて実習を行うことで、自社システムに特化した知識・技術を得ることができます。
3.プログラムのカスタマイズ
 実習時間を通常の講座よりも長く取りたいなど、それぞれの会社の課題に合わせてプログラムを編成することができます。
4.出張にかかるコストと時間の解決
 普段は東京開催なので会場までの往復に費用と時間がかかりますが、自社会議室を講義に用いるので費用と時間の負担がありません。

【講義の様子】
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K社様の会議室で講義を行いました。

【実習の様子】
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【お問合せ】
お問合せ・ご質問は、本財団ホームページの問合せからお寄せください。
http://m-ref.or.jp/contact.html

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