【M-REF News】再生可能エネルギー発電事業の実施において遵守する事項について
いつも【M-REF News】をお読みいただきありがとうございます。
今回は「再生可能エネルギー発電事業の実施において遵守する事項」について取り上げます。
みなさまもご存じのとおり、資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」の冒頭に記載されている表(表1)で、チェックリストのような形式になっているものです。
一見あたりまえなことが書かれていて、各項目に同意したことを示すチェックを入れて提出するものですが、非常に重要な意味を持つものです。
【記載は簡単でも、その持つ意味はとても重い】
この表には、“再生可能エネルギー発電事業の実施において遵守する事項”として、“事業計画策定ガイドラインに従って適切に事業を行うこと。”に始まる10項目が掲げられています。
一つ一つを見ていくと、至極当然なことが書かれていますし、記載方法も各項目の右欄に同意したことを示すチェックを入れるだけと非常に簡単なものです。
しかしながら、このチェックが非常に重要な意味を持つものなのです。
【どうして同意したことをわざわざ書かせるのか?】
同ガイドラインでも「FIT 法に基づき事業計画を作成するに当たっては、FIT 法施行規則様式中に示される次の表に掲げる事項を遵守することへの同意が求められる。」と記載されているように、発電事業を行うにはこれら全項目に同意しなくてはなりません。
同意しなくてはならないのなら、チェック欄を設ける必要がなぜあるのか不思議に思われる方もあると思います。
それは、自らチェックを入れさせることで“知らなかった”という言い逃れを一切封じるためだと考えられます。
【書き方は簡単だが内容は重い】
さらに、先ほども述べましたように各項目の記載内容は非常に簡潔なものです。
その中でも最たるものが最初の項目である“事業計画策定ガイドラインに従って適切に事業を行うこと。”といえます。
本ガイドラインは相当なボリュームのあるものですが、それらを遵守することをこの一文で約束させています。
また、“再生可能エネルギー発電事業を実施するに当たり、関係法令(条例を含む。)の規定を遵守すること。”という項目もありますが同様です。
これにチェックを入れることは違法な開発等をしていませんと申告していることになりますから、都道府県から森林法(林地開発許可)違反などで行政処分を受けた場合に認定取消などにつながるものだと考えられます。
【保全の義務が明確になった】
旧制度でも発電設備の保全は義務付けられていましたが、保全に対する認識はなかなか高まりませんでした。
しかし、この表では“安定的かつ効率的に再生可能エネルギー発電事業を行うために発電設備を適切に保守点検及び維持管理すること。”と保全に関する項目を設けることで、明確に保全は義務なのだと示しています。
だれの目にも一目瞭然で解釈の違いの余地がなくなったことで、すっきりとしたといえるでしょう。
【保全事業者が駆け込み寺に】
こうしたことを考えると、既存の発電所についても遵法性のチェックが非常に重要であることは明らかです。
しかしながら、多くの設備のオーナーにはそのノウハウがないうえ、設置業者の倒産などで、保全事業者がこうした設備のオーナーの駆け込み寺になることが予想されます。
こうしたニーズに適正に対処する能力が制度上も求められています。
【本講座は関係法令リストの主要部分をカバー】
「事業計画策定ガイドライン」の付録部分に“主な関係法令リスト”が掲載されています。
とはいえ、実際にどの法令の手続きが必要かあるいは抜けているのか判断することは非常に難しいでしょう。
さらに、住宅用太陽光発電設備であれば建築基準法や住宅瑕疵担保履行制度に関する知識も求められますし、設備の撤去や更新の際には適正な廃棄物処理についての知識も求められます。
加えて前述のとおり、それらを漏れなく手続することは事業者責任であると明確にうたわれているので、非常に重い責任を担うことになります。
【本講座は関係法令リストの主要部分をカバー】
本財団は、これからの保全業務には設備だけでなく設置場所や土木設備にいたる発電所全体についての知識・技術が必要になると考え、「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」では、電気関連に加え建設関連法令から廃棄物処理法に至る様々な関連法令の基礎知識の講義を設けてきました。
「事業計画策定ガイドライン」の付録部分にある“主な関係法令リスト”の主要なものはもちろん、住宅用太陽光発電設備で求められる建築基準法や住宅瑕疵担保履行制度などもカバーし、発電所オーナーがワンストップで保全を託せるオールラウンダーな保全技術者の養成を目指しています。
【国と民間の両ガイドラインに準拠】
本財団の「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」は、「事業計画策定ガイドライン」はもちろん「民間版ガイドライン」にも準拠したものです
さらに、本講座を受講し認定された技術者とその雇用企業(希望者のみ)は本財団ホームページで開示されます。
多くのみなさまのご受講をお待ち申し上げております。
【講座の様子はブログでご覧ください】
講座の様子をブログで紹介していますので是非ご覧ください。
[FIT法改正を受けた講座内容強化の紹介] http://m-ref.blog.jp/archives/5183285.html
講座ではFIT法改正や今後の国の政策動向についても取り上げ解説します。
次号もぜひご期待ください。
【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】
[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html
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「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」
開催のお知らせ
[日程] 2日間通しの講座となります。
【期日】 平成29年6月21日(水)・22日(木)
【時間】 一日目 13:20~17:30 二日目 9:00~17:00
※ 一日目終了後、FIT法改正と事業計画の解説(任意)があります。
ぜひご参加ください。
[会場] 東池袋センタービル
NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24
[受講資格]次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方
[合格者] 検定に合格されると認定技術者として登録され、
以下の証書等が交付されます。
・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)
[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、
講座受付にてご登録(10単位)いただけます。
[受講料] 54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)
[定員] 20名
[主催] 一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会
[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
http://m-ref.or.jp/tlc.html
2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、
その内容に従って受講料をお振り込みください。
3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。
以上
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