【M-REF ミニ講座】第10回「業務を引き受ける時には現状確認を」
新認定制度開始から2ヶ月あまりが経過し、発電所の適法性を担保することや保全をきちんとしなくてはならないといった意識が浸透しつつあるようです。
【M-REF ミニ講座】は、本財団の「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」の講義内容の一部をご紹介することで、みなさまのお役にたてていただきながら本講座へのご理解を深めていただくものです。
今回は、発電所の保全(保守点検)業務を受託するにあたって、引き受け時の状態を確認(初期確認)する必要性について取り上げます。
ぜひご参考にしてください。
【発電所の適正さとは】
新FIT法は、発電所が適正に作られ、適切な保全のもと、安定的に運用(発電)されること、事業終了後においては適正に解体撤去等がなされることを事業計画において担保するよう求めています。
では、適正な発電所であるためには何が必要なのでしょうか。
それには、
①
正しく設計されていること
②
①の設計に基づいて正しく施工されていること
③
②の設備等が正しく運用されること
が必要です。
ここでいう“正しさ”とは、機能的に正しいことはもちろん、法的にも正しいことをいいます。
【発電所の全体の適正さが求められています】
さらに新FIT法では“発電所全体の適正さ”が求められています。
つまり、発電設備だけでなく、発電設備を支持している架台等はもちろん、設置されている設置面、さらには立地にいたるまでのすべてにわたる“正しさ”が求められています。
こうした背景には、皆様もご存知の通り違法開発や不適切な設計・施工による様々なトラブルが全国的に頻発していることがあります。
【まずは正しい状態にあるのかをチェックし正すことから】
いうまでもないことですが、もともと不適正な状態である発電所に対して、保全(点検・保守)をいかにがんばって行っても適正なものにはなりえません。
そして、不適正なものに対しては「認定の取り消し」を含む処分を行うことが新FIT法には定められています。
ですから、まずは正しい状態にすること(適正化)、そのために最初にチェックすることが必要といえます。
【トラブル防止・影響の低減のために】
また、引き受け時の確認は自ら設計・施工していない発電所の保全業務にあたる場合にトラブルを防止するためにも必要です。
様々なトラブルの原因の多くが発電所の開発建設時に内包されているものですが、それが運転開始後に表面化した場合、保全にあたっている方々に“とばっちり”がくることが多く見受けられます。
引き受け時に確認することで、設計不良や施工不良、法手続きの不備等を発見し、責任分岐を明確にすることができます。
また、早期に発見・確認することで、問題が拡大する前に対処することも可能になり、事業への影響をより小さくすることにつながります。
【ガイドラインを守ることが事業・企業を守ることに】
新FIT法ではガイドラインを守ること、特に法令遵守を強く求めています。
それは、太陽光発電設備が災害のもととなることを防ぐとともに、不適正な事業に国民が広く負担している賦課金が使われることを避けるためです。
ゆえに認定取り消しを含む厳しい処分が予定されており、ガイドラインを正しく理解し遵守することが事業の安定につながるといえます。
【6月開講のご案内:本講座は国と民間の両ガイドラインに準拠】
本財団では、不具合事例とその対策はもちろんシステム設計や電気関連法令の基礎知識といった設備面だけでなく、これから法令遵守が厳しく求められる設置面(屋根や地盤等)に関する法令知識や違反事例等まで、発電所全体についての技術知識を習得していただける「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」を開催(下記に概要掲載)しています。
本講座は、新FIT法にもとづく「事業計画策定ガイドライン」はもちろん「民間版ガイドライン」にも準拠したものです
「事業計画策定ガイドライン」の付録部分にある“主な関係法令リスト”の主要なものに加え、住宅用太陽光発電設備で求められる建築基準法や住宅瑕疵担保履行制度などもカバーし、発電所オーナーがワンストップで保全を託せるオールラウンダーな保全技術者の養成を目指しています。
【認定技術者と資格事業者を開示しています】
本講座を受講し検定に合格した方には認定証が交付されるほか、認定技術者として本財団に登録され認証サービスや業務実績の登録・認証サービスなどを受けていただけます。
さらに、認定技術者と資格事業者(認定技術者を雇用し本財団に登録された企業)のうち、希望された方については本財団ホームページ(http://m-ref.or.jp/nintei.html)で開示しています。
多くのみなさまのご受講をお待ち申し上げております。
次号もぜひご期待ください。
【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】
[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html
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「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」
開催のお知らせ
[日程] 2日間通しの講座となります。
【期日】 平成29年6月21日(水)・22日(木)
【時間】 一日目 13:20~17:30 二日目 9:00~17:00
※ 一日目終了後、FIT法改正と事業計画の解説(任意)があります。
ぜひご参加ください。
[会場] 東池袋センタービル
NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24
[受講資格]次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方
[合格者] 検定に合格されると認定技術者として登録され、
以下の証書等が交付されます。
・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)
[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、
講座受付にてご登録(10単位)いただけます。
[受講料] 54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)
[定員] 20名
[主催] 一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会
[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
http://m-ref.or.jp/tlc.html
2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、
その内容に従って受講料をお振り込みください。
3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。
以上
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