2017年03月

M-REF ミニ講座】第8回「施工の不具合事例」

 

 

新認定制度施行が目前に迫りましたが、みなさまご対応はお進みでしょうか。

M-REF ミニ講座】は、本財団の「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」の講義内容の一部をご紹介することで、みなさまのお役にたてていただきながら本講座へのご理解を深めていただくものです。
今回は、施工の不具合事例について取り上げます。
ぜひご参考にしてください。

 

【屋外設置の直流集電盤でブレーカがトリップする】

屋外設置された直流集電盤に直射日光が当たり、盤内部の温度が上昇してブレーカがトリップする事例です。
ブレーカは一般的に、-10℃~60℃が使用周囲温度として設定されており、動作特性は40℃を基準に決められています。40℃超~50℃の場合で80%以下、50℃超~60℃の場合は70%というように耐えられる負荷電流の値が小さくなります。
熱動式の配線用遮断器では、バイメタルの動作温度が変動するため、定格遮断電流は周囲温度20℃で110%、周囲温度60℃では90%となります。
電磁式の配線用遮断器では、可動鉄心の制御油の粘度が変化します。
動作電流は変化しませんが、動作時間が変動し、動作時間は周囲温度1020℃で160%程度まで上昇、周囲温度60℃では75%となります。
配線用遮断器の遮断電流が変動することで、本来適切に保護出来ていた回路についても、適正に保護できなくなる原因になりますので、設置場所の使用環境について慎重な設計が望まれます。

 

【温度によりケーブルの許容電流が変化する】

CVケーブルは撚り本数が多くなるほど放熱性能が悪くなるため、同一径における許容電流値が減少していきます。
許容電流は、電線を被覆している絶縁体の種類、電線を敷設する場所の周囲温度、電線管やラックに乗せるなどの電線の敷設方法の3条件に大きく影響されます。
敷設環境が高温の場合、電流を流さない状態であっても電線温度が高くなってしまうため、電流による温度上昇の余裕がなくなり、許容電流値が小さくなってしまいます。
電線管に電線を収容、ケーブルラックに電線を多段積みした場合、放熱性能が悪化します。放熱性能の悪化は許容電流の低減に繋がるため、流す電流値を低くしなければ異常発熱の原因となります。

 

【パワコンを屋内設置する際にも注意が必要】

パワコンを屋内に設置している場合でも、倉庫などでは粉塵により機器が故障に至ることがあります。
こうした場合には、パワコンを囲い込んで吸気フィルタと換気ファンを取り付けなくてはなりません。
屋外設置箱の活用やクリーンルームとする対策を行うことが望まれます。
工場などでオイルミストがある場合は、マシンにミストクリーナを取り付けるか、カーテンで仕切る必要があります。
エアカーテンを設備するなどの対策を行うことが望まれます。

 

【4月開講のご案内:本講座は国と民間の両ガイドラインに準拠】

本財団では、不具合事例とその対策はもちろんシステム設計や電気関連法令の基礎知識といった設備面だけでなく、これから法令遵守が厳しく求められる設置面(屋根や地盤等)に関する法令知識や違反事例等まで、発電所全体についての技術知識を習得していただける「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」を開催(下記に概要掲載)しています。
本講座は、新FIT法にもとづく「事業計画策定ガイドライン」はもちろん「民間版ガイドライン」にも準拠したものです。
「事業計画策定ガイドライン」の付録部分にある“主な関係法令リスト”の主要なものに加え、住宅用太陽光発電設備で求められる建築基準法や住宅瑕疵担保履行制度などもカバーし、発電所オーナーがワンストップで保全を託せるオールラウンダーな保全技術者の養成を目指しています。

 

【認定技術者と資格事業者を開示しています】

本講座を受講し検定に合格した方には認定証が交付されるほか、認定技術者として本財団に登録され認証サービスや業務実績の登録・認証サービスなどを受けていただけます。
さらに、認定技術者と資格事業者(認定技術者を雇用し本財団に登録された企業)のうち、希望された方については本財団ホームページで情報開示しています。
多くのみなさまのご受講をお待ち申し上げております。

次号もぜひご期待ください。

 

 

【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】

[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html

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      「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」
            開催のお知らせ

 

[日程]  2日間通しの講座となります。

【期日】 平成29413日(木)・14日(金)
【時間】 一日目 13:2017:30  二日目 9:0017:00

        ※  一日目終了後、FIT法改正と事業計画の解説(任意)があります。
           ぜひご参加ください。

[会場]  東池袋センタービル

NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24

[受講資格]次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方

[合格者] 検定に合格されると認定技術者として登録され、
以下の証書等が交付されます。

       ・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)

[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、
講座受付にてご登録(10単位)いただけます。

[受講料]  54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)

[定員]   20

[主催]   一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会

[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
          http://m-ref.or.jp/tlc.html

       2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、
         その内容に従って受講料をお振り込みください。

       3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
         必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。

 以上

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M-REF News】事業計画策定ガイドラインについて

 

いつもお読みいただきありがとうございます。
今回は、資源エネルギー庁が制定した「事業計画策定ガイドライン」について取り上げます。

 

【ガイドラインは2つで構成】
まず、「事業計画策定ガイドライン」はFIT法を所管する資源エネルギー庁が制定したものですから法令に準ずるものといえます。
その一方で、昨年末に日本電機工業会と太陽光発電協会から発表された「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(民間版ガイドライン)」があります。
これは民間のガイドラインなのですが、実際には資源エネルギー庁が策定を進めたもので、その策定プロセスには本財団も参加しています。
しかしながら、「事業計画策定ガイドライン」を読んでいただくとわかるとおり、民間版ガイドラインの遵守を随所で求めています。
このことから、「民間版ガイドライン」は「事業計画策定ガイドライン」と一体的に運用されるものと考えるべきものといえます。

 

【立地に関する記述が非常に多い】
「事業計画策定ガイドライン」の特徴の一つに、発電所の立地など電気関連以外の法令の遵守を求める記述が非常に多いことがあります。
その内容もより踏み込んだ具体的なものとなっており、例えば「第2章 適切な事業実施のために必要な措置 第1節」では「…事業計画の認定時においては、関係法令手続状況報告書の提出が求められ、該当する関係法令や条例を記載し、それぞれの調整状況を記載する必要がある…各事業者の責任の下で関係法令及び条例を確認することが必要である。」と具体的な確認手段や事業者責任を明確にうたっています。

 

【発電所に関する図書の標準化への道筋】
また、「第2章 適切な事業実施のために必要な措置 第2節 3.施工」では、「完成図書として、設計図や施工記録、完成した設備の竣工試験データ等の書類一式が必要」としています。
これは、事業者が国に対して“太陽光発電設備の完工後、適切な設計・施工が行われたことを証する”ために設けられた規定ですが、同時に第三者に対してその太陽光発電設備が適正に施工されたことを証明するための証拠書類の重要な部分にもなりえます。
こうしたことが、前述の「関係法令手続状況報告書」とその証拠資料などと併せ、発電所に関する図書の標準化にもつながっていくものと考えています。

 

【それぞれの規模にそれぞれの悩み、保全事業者が駆け込み寺に】
住宅用太陽光発電設備の場合には事業計画の要件が簡略化されているとはいえ、一般の方々が作成することは難しく、多くが設置業者に託されることになると見込まれています。
しかしながら、設置業者の倒産などで依頼先がない方が急増する中、保全事業者がこうした設備のオーナーの駆け込み寺になることが予想されます。
これは、いわゆる50kW未満の産業用発電設備についてもいえるでしょう。
また、産業用であれば対象設備が大きくなるだけでなく、開発許可等の手続きに瑕疵がある場合も多く、そうした瑕疵の発見から是正にいたるまでの相談を保全事業者が引き受けることになると予想されます。
こうしたニーズに適正に対処する能力が制度上も求められています。

 

【本講座は関係法令リストの主要部分をカバー】
「事業計画策定ガイドライン」の付録部分に“主な関係法令リスト”が掲載されています。

とはいえ、実際にどの法令の手続きが必要かあるいは抜けているのか判断することは非常に難しいでしょう。
さらに、住宅用太陽光発電設備であれば建築基準法や住宅瑕疵担保履行制度に関する知識も求められますし、設備の撤去や更新の際には適正な廃棄物処理についての知識も求められます。
加えて前述のとおり、それらを漏れなく手続することは事業者責任であると明確にうたわれているので、非常に重い責任を担うことになります。

 

【本講座は関係法令リストの主要部分をカバー】
本財団は、これからの保全業務には設備だけでなく設置場所や土木設備にいたる発電所全体についての知識・技術が必要になると考え、「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」では、電気関連に加え建設関連法令から廃棄物処理法に至る様々な関連法令の基礎知識の講義を設けてきました。
「事業計画策定ガイドライン」の付録部分にある“主な関係法令リスト”の主要なものはもちろん、住宅用太陽光発電設備で求められる建築基準法や住宅瑕疵担保履行制度などもカバーし、発電所オーナーがワンストップで保全を託せるオールラウンダーな保全技術者の養成を目指しています。

 

【国と民間の両ガイドラインに準拠】
本財団の「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」は、「事業計画策定ガイドライン」はもちろん「民間版ガイドライン」にも準拠したものです。
さらに、本講座を受講し認定された技術者とその雇用企業(希望者のみ)は本財団ホームページで開示されます。
多くのみなさまのご受講をお待ち申し上げております。

 

【講座の様子はブログでご覧ください】
講座の様子をブログで紹介していますので是非ご覧ください。

[FIT法改正を受けた講座内容強化の紹介] http://m-ref.blog.jp/archives/5183285.html

講座ではFIT法改正や今後の国の政策動向についても取り上げ解説します。
次号もぜひご期待ください。

 

 

【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】

[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html

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「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」開催のお知らせ

 

[日程]   2日間通しの講座となります。
       
【期日】 平成29413日(木)・14日(金)
       【時間】 一日目 13:2017:30  二日目 9:0017:00
        ※  一日目終了後、FIT法改正と事業計画の解説(任意)があります。
          ぜひご参加ください。

[会場]   東池袋センタービル

 NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24

[受講資格] 次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方

[合格者]  検定に合格されると認定技術者として登録され、以下の証書等が
交付されます。
・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)

[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、講座受付にて
ご登録(10単位)いただけます。

[受講料]  54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)

[定員]   20

[主催]   一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会

[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
          http://m-ref.or.jp/tlc.html

       2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、その内容に
         従って受講料をお振り込みください。

       3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
         必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。

      以上

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M-REF News】いよいよ新認定制度が始まります!4月の講座開催のお知らせ

 

 

いつも【M-REF News】をお読みいただきありがとうございます。
4月からいよいよ新認定制度が始まりますが、みなさまご準備はお整いでしょうか。
本財団では、昨年の“FIT法改正の内容”や新認定制度で提出が義務付けられる“事業計画”の解説を盛り込んだ「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」を下記の通り4月に開催いたします。
新制度で既存発電所にも提出が義務付け(原則)される事業計画の作成には、発電設備はもちろん設置場所の適正さに関する知識まで必要となります。
本講座は、設備はもちろん屋根や地盤等の設置面までの保守管理にあたれるオールラウンダーな技術者の養成を目的としています。
さらに、本講座を受講し認定された技術者とその雇用企業(希望者のみ)は本財団ホームページで開示(現在開示の準備中)されます。
多くのみなさまのご受講をお待ち申し上げております。

 

【講座の内容】

本講座は以下のような構成となっています。

1.太陽電池モジュールの基礎知識
トラブル時のメーカ対応などに支障がないよう太陽電池モジュールについての基礎知識を再確認します。

2.システムの基礎知識
太陽光発電システムを構成するパワーコンディショナ、接続箱、雷対策機器等の基礎知識を再確認します。

3.システム設計と電気工事の基礎知識
システム設計不良や工事不良の発見に役立てるため、システム設計と電気工事の基礎知識を解説します。

4.システムの点検と測定
点検の種類と項目、使用する機器、点検を実施する際の安全対策について解説します。

5.事故事例とその対策の紹介
システムの不具合事例を解説します。

6.電気関連法令の基礎知識
システムの保全業務に必要となる電気関連法令について解説します。

7.建設関連法令の基礎知識
システムの設置面である屋根や地盤に関する法令について解説します。

8.その他関連法令の基礎知識
最近トラブルの多い景観法等、前記2章以外の関連法令について解説します。

9.実習
模擬太陽光発電システムを用いて断線故障と地絡故障の検出について解説します。

 

【講座の様子はブログでご覧ください】

講座の様子をブログで紹介していますので是非ご覧ください。

[FIT法改正を受けた講座内容強化の紹介] http://m-ref.blog.jp/archives/5183285.html

講座ではFIT法改正や今後の国の政策動向についても取り上げ解説します。
次号もぜひご期待ください。

 

 

【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】

[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html

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      「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」
            開催のお知らせ

 

[日程]  2日間通しの講座となります。

【期日】 平成29413日(木)・14日(金)
【時間】 一日目 13:2017:30  二日目 9:0017:00

  一日目終了後、FIT法改正と事業計画の解説(任意)があります。
ぜひご参加ください。

[会場]  東池袋センタービル

NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24

[受講資格]次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方

[合格者] 検定に合格されると認定技術者として登録され、
以下の証書等が交付されます。
・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)

[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、
講座受付にてご登録(10単位)いただけます。

[受講料]  54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)

[定員]   20

[主催]   一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会

[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
          http://m-ref.or.jp/tlc.html

       2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、
         その内容に従って受講料をお振り込みください。

       3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
         必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。

               以上

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