【M-REF ミニ講座】第8回「施工の不具合事例」
新認定制度施行が目前に迫りましたが、みなさまご対応はお進みでしょうか。
【M-REF ミニ講座】は、本財団の「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」の講義内容の一部をご紹介することで、みなさまのお役にたてていただきながら本講座へのご理解を深めていただくものです。
今回は、施工の不具合事例について取り上げます。
ぜひご参考にしてください。
【屋外設置の直流集電盤でブレーカがトリップする】
屋外設置された直流集電盤に直射日光が当たり、盤内部の温度が上昇してブレーカがトリップする事例です。
ブレーカは一般的に、-10℃~60℃が使用周囲温度として設定されており、動作特性は40℃を基準に決められています。40℃超~50℃の場合で80%以下、50℃超~60℃の場合は70%というように耐えられる負荷電流の値が小さくなります。
熱動式の配線用遮断器では、バイメタルの動作温度が変動するため、定格遮断電流は周囲温度20℃で110%、周囲温度60℃では90%となります。
電磁式の配線用遮断器では、可動鉄心の制御油の粘度が変化します。
動作電流は変化しませんが、動作時間が変動し、動作時間は周囲温度10~20℃で160%程度まで上昇、周囲温度60℃では75%となります。
配線用遮断器の遮断電流が変動することで、本来適切に保護出来ていた回路についても、適正に保護できなくなる原因になりますので、設置場所の使用環境について慎重な設計が望まれます。
【温度によりケーブルの許容電流が変化する】
CVケーブルは撚り本数が多くなるほど放熱性能が悪くなるため、同一径における許容電流値が減少していきます。
許容電流は、電線を被覆している絶縁体の種類、電線を敷設する場所の周囲温度、電線管やラックに乗せるなどの電線の敷設方法の3条件に大きく影響されます。
敷設環境が高温の場合、電流を流さない状態であっても電線温度が高くなってしまうため、電流による温度上昇の余裕がなくなり、許容電流値が小さくなってしまいます。
電線管に電線を収容、ケーブルラックに電線を多段積みした場合、放熱性能が悪化します。放熱性能の悪化は許容電流の低減に繋がるため、流す電流値を低くしなければ異常発熱の原因となります。
【パワコンを屋内設置する際にも注意が必要】
パワコンを屋内に設置している場合でも、倉庫などでは粉塵により機器が故障に至ることがあります。
こうした場合には、パワコンを囲い込んで吸気フィルタと換気ファンを取り付けなくてはなりません。
屋外設置箱の活用やクリーンルームとする対策を行うことが望まれます。
工場などでオイルミストがある場合は、マシンにミストクリーナを取り付けるか、カーテンで仕切る必要があります。
エアカーテンを設備するなどの対策を行うことが望まれます。
【4月開講のご案内:本講座は国と民間の両ガイドラインに準拠】
本財団では、不具合事例とその対策はもちろんシステム設計や電気関連法令の基礎知識といった設備面だけでなく、これから法令遵守が厳しく求められる設置面(屋根や地盤等)に関する法令知識や違反事例等まで、発電所全体についての技術知識を習得していただける「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」を開催(下記に概要掲載)しています。
本講座は、新FIT法にもとづく「事業計画策定ガイドライン」はもちろん「民間版ガイドライン」にも準拠したものです。
「事業計画策定ガイドライン」の付録部分にある“主な関係法令リスト”の主要なものに加え、住宅用太陽光発電設備で求められる建築基準法や住宅瑕疵担保履行制度などもカバーし、発電所オーナーがワンストップで保全を託せるオールラウンダーな保全技術者の養成を目指しています。
【認定技術者と資格事業者を開示しています】
本講座を受講し検定に合格した方には認定証が交付されるほか、認定技術者として本財団に登録され認証サービスや業務実績の登録・認証サービスなどを受けていただけます。
さらに、認定技術者と資格事業者(認定技術者を雇用し本財団に登録された企業)のうち、希望された方については本財団ホームページで情報開示しています。
多くのみなさまのご受講をお待ち申し上げております。
次号もぜひご期待ください。
【「太陽光発電設備保全技術者養成講座」受講者募集中】
[太陽光発電設備保全技術者養成講座] http://m-ref.or.jp/course.html
********************************************************************
「二級太陽光発電設備保全技術者養成講座」
開催のお知らせ
[日程] 2日間通しの講座となります。
【期日】 平成29年4月13日(木)・14日(金)
【時間】 一日目 13:20~17:30 二日目 9:00~17:00
[会場] 東池袋センタービル
NPC日本印刷株式会社 i-Shop(セミナールーム)
東京都豊島区東池袋4-41-24
[受講資格]次のいずれかに該当する方。
・電気工事の知識経験を有する方
・建築工事の知識経験を有する方
・太陽光発電設備の知識経験を有する方
[合格者] 検定に合格されると認定技術者として登録され、
以下の証書等が交付されます。
・認定証
・資格者証(顔写真入りプラスティックカード)
[CPD認定]本講座は全建築系CPDの認定プログラムです。
対象となる方は資格者番号等をご持参いただければ、
講座受付にてご登録(10単位)いただけます。
[受講料] 54,000円(税込)
(内訳:受講料・検定料 30,000円,登録料 20,000円)
[定員] 20名
[主催] 一般財団法人再生可能エネルギー保全技術協会
[申込方法] 1.下記の当財団ホームページからお申し込みください。
http://m-ref.or.jp/tlc.html
2.お申込内容の確認メールが自動返信されますので、
その内容に従って受講料をお振り込みください。
3.受講料のお振込を確認後、受講資料一式を郵送します。
必要事項を記載・添付の上、受講当日にご持参ください。
以上
********************************************************************